第463回 鯖江市の取り組みより学ぶ

 福井県鯖江市の市役所の中にはJK課というものがある。

 これはどのような課なのか、そもそもJKとはどういう意味なのかということであるが、JKとは『J(女子)K(高校生)』と言うことだそうだ。

 課の仕事としては、行政サービスや市のイベント等に関して、女子高生の意見・発想を取り入れコラボレーションさせるというものであり、これにより、自分たちの待ちは自分たちで作るというコンセプトの基地元愛を高め、また外に対して鯖江市をアピールする狙いがあると言う。

 実際に女子高生の意見を取り入れ、市立図書館の本の検索をスマートフォンのアプリを使って行うサービスを実施しているという。

 さて、この話を耳にして思うことは、何もそれぞれのホテル旅館が女子高生の意見を取り入れるべきであると言う話ではない。

 大切なことは色んな角度からからの意見を聞くと言うことである。

 そして、それにある程度決定権と裁量を任せると言うことである。

 現に、この鯖江市のような取り組みは今までもあったように思われる。

 しかし、今までの話は、意見を聞くと言うことに留まっており、実際に女子高生が何か物事をなしとげるということには至っていないものが多い。

 それを鯖江市はもちろん女子高生だけではないが、有識者等も加え実際に生花を出せる形にしている。

 ここにプロジェクト企画のポイントがあるのである。

 さて、夏を向かえ、ホテル・旅館ではもっと忙しい繁忙期を迎えている。

 そのために様々な企画を用意しているホテル・旅館も多いのではないだろうか。

 しかし、そのイベントははたしてターゲットに合致しているのであろうかと思われる企画も中には様々見受けられる。

 例えば、坊有名歌手のディナーショーはわざわざこの時期にやら無くても良いなどである。

 最近、様々なところで思うことわざが一つある。

 『船頭多くして、船山に登る』である。

 これは先導がたくさんいれば船でさえ山にも登れるということわざではない。

 指示する人が多く、本来の目的を見失い、迷走してしまうという意味のことわざである。

 これを自分に置き換えて考えてみてはいかがであろうか。

 もちろん、イベント企画自体に無理がある場合は考慮しなければいけないのだが、決定権を持っている人間の独りよがりの企画、あるいは様々な意見より迷走した企画になっていないだろうか。

 人に任せる、他人を信頼するということは非常に難しいことではあるが、任せる器量、任される責任感・使命感。

 これにより上手に歯車を回すこと。

 まさに鯖江市の取り組みから改めて考えさせられた思いがする。