第462回 元気も地域から

 某飲料メーカーのお茶のCMに可愛い女性タレントと一緒に各地のゆるきゃらが出演している。

 いまやゆるきゃらはいない地域はないんじゃないかと思われるくらい様々なキャラクターが地方には存在し、それらを一堂に集め人気投票を行うゆるキャラサミットなるものが大変なにぎわいを見せている。

 キャラクターグッツなども含めその経済効果は1,000億円にもなるとも言われている。

 また、B級グルメと呼ばれる日常的に食される庶民的なご当地料理も同様にブームが起こっている。

 こちらもB-1グランプリなる人気投票が行われ、富士宮焼きそばのように広く一般的に知られる人気料理も誕生している。

 ここで注目したいことは、ゆるキャラの火付け役とされる彦根城のキャラクターひこにゃんが登場したのが2006年、初めて青森で行われたB-1グランプリも2006年ということで、いずれにしてもまだ10年もたっていないものなのである。

 ここにひとつの今後の観光のポイントがある。

 観光によって市町村外、あるいは県外からの集客を考えた場合、どうしても観光資源に頼ってしまう。

 それは歴史的な背景や建造物であったり、自然遺産であったり。

 しかし、上記のような話の場合は元々その場にあった観光資源ではないのである。

 つまり、観光資源は、掘り起こすこと、そして産みだすことができるのである。

 まさに、B級グルメは掘り起こしたもの、ゆるキャラは産みだしたものでは無いだろうか。

 なので、大切なことはまず自分たちの地域を今一度見つめなおすことではないだろうか、そして、地域のことに関して積極的に取り組めるような雰囲気を作り一致団結して取り組む、問題意識を共有すること。

 それが観光はもちろんのこと今後の地域経済活性化のはじめの一歩であると思われる。

 話は変わるのだが、最近『仕事はチームで行う』といった話をよく耳にする。

 チームで取り組むことにより様々な角度からの方向、可能性、効率化など相乗効果を引き出すことが狙いである。

 私個人としても素晴らしいと思いこの方法を実践することが大切であると考えている。

 さて、このチームの中の一つの形式が地域コミュニティなのではないだろうか。

 昔から日本には隣近所との付き合いや自治会といった制度があり、今でこそ稀薄になってきているとは聞くが、それでも今でも活動している。

 観光も含め、地域を盛り上げること、これこそ活性化につながる第一歩ではないだろうか。