第455回 食事とアルコール

 ホテルと旅館、同じ宿泊施設ではあるが、この2つの業種の違いはなんだろうか。

 もちろん、この記事を読んでいただいている皆様に聞けば、たくさんあるであろうが、宿泊する消費者に聞けば、洋風と和風という答えが一番多いのである。

 少しだけ、旅館の肩を持たせてもらうと、もちろんそこもあるのだが、大きく違うところは、ずばり『夕食』ではないだろうか。

 現在では、旅館側も夕食の無いプランを作っているが、基本的に旅館の料金の中には夕食料金は含まれている。

 そのため、当然原価もかかっているわけだし、その分ホテルに比べ料金が高くなってしまうのである。

 だからこそ、旅行の際に宿泊施設を選ぶときホテルと旅館の比較を、特に価格で行ってしまうことに関してとても違和感を覚えるのである。

 さて、そんな中、旅館で提供される夕食について触れて行きたい。

 このコーナーでも何度か夕食や和食について触れてきたが、今回はその中の『アルコール』というものに関して考えて行きたい。

 正直なことを考えると、一番利益率のいいものとなるとアルコール飲料が挙げられてくるのではないだろうか。

 個人的にいつも不思議なのだが、お酒と同じ量水を飲めと言われると到底無理な気がするが、なぜかアルコールだといつの間にか飲んでしまっている。

 それだけ、アルコールは回転もいいのである。

 しかし、昨今では若者のアルコール離れが問題となっている。特に宴会でのビールや焼酎ではなく、清酒は本格焼酎の分野である。

 ワインが初めてなのか、どぶろくが初めてなのか、ビールなのか諸説あるが、アルコールの期限は紀元前である。

 それは人間の生活にとってアルコールが欠かせないものであるということである。

 そして、それぞれの地域や風土、生活習慣によってアルコールは様々な変化をとげ、現在では世界中に様々なアルコール飲料が存在し、それとともにその場所の食事も発展してきたのである。

 例えば、清酒。日本酒と呼ばれることが多いが、原料は米。米を発酵させて作られたこのアルコール飲料は、グルタミン酸やイノシン酸と言われる魚のうまみ成分と非常に相性がいいのである。

 そのため日本ではそれに合わせてか魚を使った、他にはない食べ方『刺身』が発達したのだと言われている。

 和食が世界遺産に認定され注目されている今、夕食を提供する旅館業だからこそ、和食のいろははもちろん、日本酒やそれに付随する文化の継承をぜひとも期待する。

 最後に、アルコールの話になったが、各いう小生は下戸であり、適切な飲酒慣行を啓蒙していくことをお勧めする。