第411回 外国人と向き合う ①

 『なまら』『でーじ』『でら』『めっちゃ』『ばり』『えらい』『ごっつ』、これらの言葉は方言で、標準語では『とても』『すごく』という意味の言葉になる。

 さて、ではこれが英語だとどうなるだろうかと考えてみた場合、すべてが『Very』になる。

 ここが、日本語が難しいと言われる箇所の一つで、英語では『Very』という1つの表記が、同じ日本語でも、こんな小さな島国日本は言い方が様々である。

 普段日本で生活している日本時には、方言の意味がなんとなくわかるが、これが外国人となると、非常に分かりづらいと思われる。

 このことは、一つの例であるが、日本にインバウンドを迎えるということは、想像以上に大きな壁があり、それは営業、マーケティングの問題だけではなく上記のように我々が普段感じている言葉の壁以上の言葉の壁があるのである。

 ところで日本の少子高齢化の問題を考えてみた場合、国立社会保障人口問題研究所によると、日本の人口は年々減少する傾向にあり、2045年過ぎに1億人を割るとの見通しが立っている。

 きわめて単純な議論で考えれば、現在の人口を1億2千万人だとすると、1億円になると消費者人口も考えると、現在の売上よりも17%減少するということになる。

 とても乱暴な話ではあるが、消費者人口が減るのも実際であり、それに伴い売り上げが減るということは明らかである。

 そのため、以前より生き残り競争ということが注目されている。

 つまり、言い換えれば、人口が減るということは、それぞれの産業分野において、淘汰されていくということなのである。

 では、世界の人口をみるとどうであろうか。

 国連 の2011年発表の World Population Prospectsによると、現在約70億人の世界人口は日本が1億人を割り込む2045年過ぎには90億人を突破すると予想されている。

 つまり、日本の人口は約17%減少するが、世界人口は約30%増加するのである。

 ここでまとめて考えてみたい。

 非常に乱暴で、単純な発想で恐縮ではあるが、旅館で考えた場合、将来的には人口の減少に伴い、宿泊客も減り売り上げは減少する。

 しかし、海外にも目を向けると、その部分を上回る宿泊客が待っているのである。

 つまり、外国人観光客を獲得できれば売り上げの減少以上の数字があるということである。

 もちろん、実際は以前も書いたが非常に難しく簡単な話ではない。

 しかし、外国人誘致に取り組むということも今後の大きな道筋の一つであることは間違いないのである。

 そこで、次回より外国人観光客への対応、インバウンド施策について考えてみたいと思う。