第390回 『三本の矢』の考えで~③セカンドオピニオン

 セカンドオピニオンという方法がある。

 これは、より良い決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に意見や診断を求めることで、多くは医療の分野において近年見受けられるようになってきた。

 担当医の診断だけではなく、別の医者の見解・診断も聞くということである。

 これにより、『自分は適切な診断・治療をうけているのか』『他に治療方法は無いのか』などを多角的に検証できることができ、自分が納得して治療を受けることができる。

 そして、最近ではこの方法が医療部門以外の場面でも多く見られるようになってきた。

 特に見られるのが、税理士や弁護士といった顧問先をもついわゆる『士業』の分野においてである。

 たとえば、いつもお願いしている税理士先生がいるが、他の税理士とサービスは違うのだろうか。

 もしかしたら、ほかの税理士先生はもっと様々なアドバイスや助言をくれるのかもしれない。

 などといった場合である。

 特に税理士などは古くからのお付き合いのところが多くよっぽどでもない限りは変更は無いため、ほかと比べる機会が少なかったと言える。

 このように、実は今まで当たりまえだと思っていたことが、じつはほかと比べてみたら、ほかの意見を聞いてみたらという場面が多くある。

 セカンドオピニオンの普及によって広く士業の分野にまで浸透し身近になっている。

 このセカンドオピニオンをスムーズに受けるためにはどのようにすればよいのか。

 これも実は『三本の矢』の方法でできることが多い。

 なぜなら、同業が集まれば、自然とそこに集まる情報も集中してくる。

 もちろん、営利を追求する以上、他社との差別化は図りたいところなのだが、その差別化を各施設ごとに実施していくのではなく、地域、あるいは都道府県単位で実施することを提唱していきたい。

 まずは地域で活性化することにより、そこの観光地の魅力をアピールし、選んでもらう。そこからがスタートなのだと考える。

 まず、地域全体を活性化することが第一である。

 宿泊客の立場に立って考えると、どんなにいい旅館でも、正直活気が無い地域には行きづらい。

 繰り返しになるが、まずは地域全体を活性化する。

 そのために、情報をたくさん集める必要があり、そのためには、色々な角度から物事を見る必要、そして、納得する情報を集めるために、セカンドオピニオンを考える方法も必要だと考えられる。