第374回 内部の稼働率向上をする

 今回は業務内容の見直しについて考えたい。

 そんなことを云うとこれをお読みの皆さんは、「そんなことはとっくに取り組んでいるよ。」と思われるかも知れない。

 それぞれの部署でオペレーションマニュアルを作成し、従業員に渡し説明はしていると思う。

 しかし、それを統計的に数値化しマニュアルの実行効率を求めているところは少ないと思う。

 実行効率を高めることが人件費のコストダウンにつながる早道である。

 これは、実稼働率を上げることである。

 稼働率というと施設や部屋の稼働率を想像すると思うが、ここでは従業員さんの仕事の稼働率のことである。

 この考え方は、自動車の組立て生産ラインなどで実際に取り入れられている。

 全ての作業員の稼働時間と不稼働時間を数値化し、実稼働率向上を極限までに追い求めているのである。

 実稼働時間は、実際に手を動かし組立て作業をする時間のみを言い、部品を取ったり作業のための移動時間は含まれない。

 秒単位で作業分解し、徹底的に時間の短縮を目指しているのである。

 そのためには治具・道具・部品などを徹底的に作業員の近くに置き、手を伸ばす距離を最短にし、手で物を取る作業の時間ロスをより短くしたり、部品の供給も途切れることの無いよう専門の部品供給員を置き、無くなる寸前に供給する。

 トイレに行くのでさえラインを止めないように交代要員が手を上げた人の所に入り、交代をしてラインを動かし続ける。

 これを毎日繰り返す訳だから、何時に新しい部品を工場に納入する必要があるのかが把握できる。

 「カンバン方式」も可能になるわけである。

 では実際に旅館業やサービス業でそんなことが可能なのであろうか。

 製造業並みの稼働率向上は難しいであろう。

 それは、朝から晩まで同じ作業を一日繰り返す従業員がいないからである。

 しかし、各従業員さんの1日の仕事内容を分解し、できる作業から取り組めば可能になる。

 特に繰り返しの多い作業や、客室の清掃作業のように時間設定が可能な作業は実稼働率の向上ができる。

 一見難しそうな話ではあるが、従業員の実稼働率を高められれば、人員を他の作業に当てたり人員の削減につながり、人件費コストの低減につながるはずである。

 こんな発想で内部の稼働率を上げることを考えてみてはどうだろうか。