第370回 いま一度ホームページを見直す①

 インターネットが普及して十数年。

 今や旅館やホテルでホームページを持たないところを探すほうが大変といっても過言ではないだろう。

 しかし集客にうまく活用できているホームページを持つ施設はどれだけあるのだろうか。

 自社でホームページを持つ意義はいたってシンプルで、いわゆる「直販するため」である。

 ネットエージェントが圧倒的な力を見せる中、直販を伸ばすことは容易ではない。

 しかしエージェントへのフィーがいつ値上がるかわからないことを考えれば、いち早く見直しておきたい集客チャネルである。

 そこで今回から全四回に分けて直販を伸ばすために必要なポイントをご紹介したい。

 第一回は「見やすさ・使いやすさ」についてである。

 ホームページへの訪問者は、何らかの情報を入手するために訪れる。

 欲しい情報が8秒以内に得られなければ、読み進める価値がないと判断され離脱されてしまう。

 そのため「ファーストビュー」には訪問者が欲しい情報や目をとめるための材料を配置する必要があるのだ。

 第一印象でまず目に飛び込んでくるのはメインイメージである。

 自慢のお部屋や料理の写真がこれでもかと言わんばかりに大きく表示されているだろうか。

 旅館のホームページは他の業種と性質が異なり、写真一枚で十分に訴求することができる。

 逆を言えば、そこがチープだとそれだけで施設を判断されてしまう可能性もある。

 せめてこの写真だけは、専門のプロカメラマンに依頼して欲しい。

 次に「部屋」「料理」「予約(料金)」などの主要コンテンツへの入り口は、グローバルメニューに配置してどのページからでも閲覧できるように配置する。

 訪問者は必ずトップページから入ってくるとは限らないからだ。

 検索エンジンは検索窓に入力されたキーワードに最も近いページへと誘導することは周知のことと思われる。

 閲覧者がどのページから入ってきてもいいように、全ページ共通のメニューとして、サイトの上部もしくはサイドメニューに配置しよう。

 また素早く行動に移せるように大きな連絡先を全ページに共通で表示、予約エンジンも組み入れることを忘れないようにしたい。

 最後に忘れてはいけない高齢者への配慮や流行のタッチデバイス対応として、大きなボタン設計もマスト要件である。

 いくらデザイン性が高くても「見づらい・押しにくい」では使いにくい印象が先行してしまう。

 自社のホームページをタッチデバイス(タブレット等)で見たことがあるだろうか。

 使いにくいと感じたら、リニューアルも視野に入れて検討したいところだ。