第678回 プロスポーツ市場ダントツは、「巨人」

僕は、スポーツやるのは大の苦手、息があがってとても動けない。

COPDだから、もっぱら「観る」だけと、精一杯開き直っている。

その観る対象スポーツも、実はかなり限られている。

プロ野球、それも巨人が勝っている試合のみ、あとは相撲、プロレス等の裸の男の格闘技だけである。つい別次元の眼になってしまう女子プロレスや、殴り合っているだけのボクシングは見ない。

オリンピックと高校野球はあまり好きではない…と、どうでもいいけど、変わりもんの変な趣味だ。

 

日本国内のプロスポーツ団体が加盟するスポーツ組織、公益財団法人日本プロスポーツ協会がある。少し前のデータだが、2011年、年間のプロスポーツ観客動員数は6,097万人、国民の約半数がライブでプロスポーツを観ていることになる。公営競技を除くスポーツでは、プロ野球が2,200万人で最も多く、サッカー(Jリーグ)が770万人で続いていた。第3位は男子ゴルフの57.5万人である。

スポーツの実績値だから、人気選手の動向、イベントの内容等で、毎年データは大きく変わる。

たとえば大相撲。部屋での暴行事件、八百長問題などの不祥事が相次いだ、5年前には30万人にまで落ち込んだ。しかし”今”、90年代若貴ブーム以来の人気といわれ、当時の最高年間入場者数84万人に迫る勢い。去年はなんと76万人動員した。

 

2013年のデータで、2大プロスポーツと言われる、プロ野球とサッカーを比べてみる。

Jリーグの公式記録によると、J1では306試合が行われ、総観客動員数は527万1,047人。1試合ごとの平均は17,226人だ。サッカー人気は、前述した2011年から、若干落ち込んでいるようだ。

一方、NPB公式記録によると、野球はセ・パ合わせて864試合が行われ、総観客動員数は2,204万7,491人。 1試合平均は25,500人を超えている。

試合数の多い野球が総観客数で上回るのは分かるが、1試合平均でもサッカーの約1.5倍の観客を動員していることは驚きである。

更にプロ野球、昨年の観客動員数は過去最多の2,432万人を記録した。

チーム別動員数第1位の巨人の1試合当たりの平均動員数が42,270人、年間3,001,187人である。

本拠地東京ドームの観客収容数は45,000万人なので、平均収容率92%と、ほぼ毎試合満席という状況である。以下第2位阪神、1試合当たり39,977人、年間2,878,352人。第3位がソフトバンクで、同様に35,221人 、2,535,877人となっている。

Jリーグナンバーワンの浦和レッズの、1試合当たり平均観客数は約37,000人。

全プロスポーツ1試合当たり平均観客動員数、阪神の次にランクされる状況である。

 

日本の2大プロスポーツのマーケット規模は、プロ野球:約1,400億円(推計値)、Jリーグ:約800億円(J1,J2クラブ営業収入の合計)と言われている。

ちなみに、ライブ市場2,318億円、映画市場1,942億円というデータがある。

プロスポーツもある種のエンターテインメント産業であることを踏まえると、今後はライブ市場や映画市場が競合になることも考えられるだろう。

海外の野球、サッカーの売上高を見ると…野球:MLB:7,500億円、サッカー:プレミアリーグ:3,800億円と、いずれも日本市場の約5倍、差はかなり大きいのが現状のようだ。

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2016年4月24日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:飯島賢二のコラム


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