2017年 申告漏れ等追徴金実態報告

報告内容

 

ネット取引調査で1件平均1197万円の申告漏れ把握

16事務年度法人税調査、申告漏れ総額は8267億円

消費税不正還付申告法人、追徴税額128億円と4倍に

海外取引調査で1件平均1720万円の申告漏れを把握

相続税調査、9930件から3295億円の申告漏れ把握

無申告法人調査で法人税・消費税合計114億円を追徴

16事務年度法人税調査、申告漏れ総額は8267億円

富裕層1件当たりの追徴税額は実地調査全体の約2倍

無申告者の1人平均申告漏れは1847万円と高額

16年度譲渡所得調査では1494億円の申告漏れを把握

所得税調査、1割の実地調査で申告漏れの6割を把握

 

 

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【ネット取引】

ネット取引調査で1件平均1197万円の申告漏れ把握

税務関連情報 – 2017年11月13日

 

 オンラインショッピングやネット広告などインターネット取引はすっかり定着しており、なかには年間1億円を超す売上があるネット業者も珍しくない。しかし、多額の利益を上げながら、ネット上の売上は国税当局には把握されまいと考え、無申告・過少申告する業者が後を絶たない。ネット取引は、無店舗による事業形態となるため、その把握は困難だが、国税当局は、あらゆる有効な資料情報を収集・分析して適正な課税に努めている。

 国税庁によると、今年6月までの1年間(2016事務年度)において、ネット取引を行っている個人事業者などを対象に1956件(前事務年度2013件)を実地調査した結果、1件当たり平均1197万円(同1164万円)の申告漏れ所得金額を把握した。この申告漏れ額は、同時期の実地調査における特別調査・一般調査全体での1件平均918万円の約1.3倍となっている。申告漏れ所得金額の総額は、234億円(同234億円)にのぼる。

 調査件数1956件を取引区分別にみると、ホームページを開設し、消費者から直接受注するオンラインショッピングを行っている「ネット通販」が628件(1件当たり申告漏れ901万円)、「ネットオークション」414件(同1093万円)、「ネットトレード」347件(同1582万円)、「ネット広告」246件(同1012万円)、「コンテンツ配信」34件(同1426万円)、出会い系サイトなどの「その他のネット取引」287件(同1660万円)だった。

 調査事例では、知人のインターネット上の認証IDや母親名義の銀行口座を利用して行っていたネットオークション(骨董品)に係る所得が無申告だったものがある。インターネット取引名義人Aは、部内資料等から、インターネット取引により、多額の収入を得ているにもかかわらず、申告していないことが想定されたため、調査に着手。その結果、Aは、調査対象者Bに名義を貸している事実が判明したため、Bに対して調査に着手した。

 調査の結果、Bは、インターネット取引名義人Aから、認証IDを借り、骨董品をインターネットオークションに出品し、決済口座は母親名義の銀行口座を利用して、多額の所得を得ていたが、申告せずに無申告だった事実を把握した。Bに対しては、所得税6年分の申告漏れ所得金額約6100万円について追徴税額(重加算税を含む)約1600万円及び消費税3年分の追徴税額(同)約300万円が課されている。

 

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 【法人税】

16事務年度法人税調査、申告漏れ総額は8267億円

税務関連情報 – 2017年11月13日

 

 国税庁が7日に公表した今年6月までの1年間(2016事務年度)における法人税等の調査事績によると、大口・悪質な不正計算が想定されるなど調査必要度の高い9万7千法人(前年度比3.5%増)を実地調査した結果、うち約74%に当たる7万2千件(同3.7%増)から総額8267億円(同0.5%減)の申告漏れを見つけた。追徴税額は1732億円(同8.8%増)。調査1件当たりの申告漏れ所得は853万円(同3.9%減)となる。

 調査した20.6%(不正発見割合)に当たる2万件(前年度比7.0%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は前年度比7.2%増の2543億円で2年ぶりに増加。1件当たりでは同0.2%増の1286万円となった。また、法人消費税については、法人税との同時調査で9万3千件(同3.4%増)の実地調査を実施。うち、5万5千件(同4.8%増)に非違があり、税額785億円(同39.0%増)を追徴した。

 不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が62.5%で15年連続のワースト1位。「バー・クラブ」は、近年25年間で24回1位(唯一2001年度がワースト2位)という不名誉な記録を持つワースト業種の常連。以下、前年ランク外の「外国料理」(45.3%)、同2位の「大衆酒場、小料理」(37.7%)、同5位の「廃棄物処理」(30.5%)、同4位の「自動車修理」(28.9%)の順で続く。

 また、1件当たりの不正所得金額が大きい10業種では、「水運」が6442万円で前年の3位から1位に、次いで前年1位の「民生用電気機械器具電球製造」(4272万円)が2位、以下、「精密機械器具卸」(3097万円)、「パチンコ」(3081万円)、「再生資源卸売」(2936万円)と続く。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は1472万円、2位の「外国料理」は613万円で、ともにランク外だった。

 なお、源泉所得税については、2016事務年度は11万6千件(前年対比2.0%増)の源泉徴収義務者について実地調査を行い、このうち、非違があった源泉徴収義務者は3万5千件(同3.7%増)で、その追徴税額は重加算税適用税額61億円を含む281億円(同35.5%減)だった。追徴税額の本税額(251億円)では、「給与所得」が182億円と約73%を占めてダントツのトップ、「非居住者等所得」43億円、「報酬料金等所得」14億円で続いた。

この件は↓
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/hojin_chosa/pdf/hojin_chosa.pdf

 

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【消費税】

消費税不正還付申告法人、追徴税額128億円と4倍に

税務関連情報 – 2017年11月15日

 

 虚偽の申告により不正に消費税の還付金を得るケースが見受けられる。国税庁は、こうした不正還付等を行っていると認められる法人については、的確に選定し、厳正な調査を実施している。今年6月までの1年間(2016事務年度)においては、消費税還付申告法人6867件(前年対比8.1%減)に対し実地調査を実施し、消費税296億1500万円(同94.6%増)を追徴課税したことが明らかになった。

 実地調査した6867件のうちの約12%に当たる802件(前年対比5.0%増)は不正に還付金額の水増しなどを行っていたとして、127億9900万円と前事務年度(約30億円)の4倍の追徴課税をしている。消費税還付申告法人に対する追徴課税の推移をみると、2014事務年度は約77億円(不正に係る追徴税額11億円)、2015事務年度は約152億円(同約30億円)、そして2016事務年度は約296億円(同約128億円)と大幅に伸びている。

 調査事例をみると、多額の還付申告に着目し、不正還付を解明したものがある。大阪国税局管内で特殊器具の加工・製造を営むA社は、消費税の還付申告内容に不審点があったため調査を実施。その結果、A社は、国内取引を輸出取引に仮装する手口で、不正に消費税の還付を得ようとしていることが判明した。A社に対しては、3年間分の消費税について追徴税額1900万円(加算税込み、重加算税有)が課されている。

 なお、2016事務年度における法人消費税の調査は、法人税との同時調査で9万3千件(前年対比3.4%増)の実地調査を実施。うち、5万5千件(同4.8%増)に非違があり、追徴税額は785億円(同39.0%増)。1件当たり84万円(同34.5%増)。また、実地調査のうちの約16%に当たる1万5千件(同6.5%増)は不正計算があったことから、292億円(同90.0%増)を追徴。不正1件当たりの追徴税額は192万円(同78.5%増)となる。

 

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海外取引調査で1件平均1720万円の申告漏れを把握

税務関連情報 – 2017年11月15日

 

 経済社会の国際化への適切な対応のため、海外投資を行っている個人や海外資産を保有している個人などに対し、積極的に調査を実施している。国税庁は、2016事務年度に海外投資を行っている者を対象に前年度比6.1%減の3145件の実地調査を実施し、同14.9%減の総額約541億円の申告漏れ所得を把握した。1件平均では同9.4%減の1720万円だが、この金額は、実地調査(特別・一般調査)全体での1件平均918万円の約1.9倍にのぼる。

 海外投資調査3145件を取引区分別にみると、「海外投資」(預貯金等の海外での蓄財を含む海外の不動産や証券などに対する投資)が全体の33.6%を占める1056件、「輸出入」(事業での売上や原価に係る取引で、海外の輸出(入)業者との契約による取引)が同13.5%の426件、「役務提供」(工事請負やプログラム設計など海外において行う、労力・技術等の第三者に対するサービスの提供)が同9.5%の300件となっている。

 そのほか、海外で支払いを受ける給与や贈与(親族に対する海外送金等)など海外取引に係るもので上記の取引に該当しない「その他」が全体の43.3%を占める1363件だった。これらの海外取引調査の結果、1件当たりの申告漏れ所得が平均で1720万円見つかったわけだが、取引区分別では、「海外投資」で2309万円、「輸出入」で716万円、「役務提供」で1081万円、「その他」で1719万円が、それぞれ把握された。

 事例では、海外不動産を譲渡し譲渡所得が発生していたが、その譲渡所得を申告から除外していた会社員Aの例がある。国外送金等調書から、Aについて、海外の金融機関から国内の金融機関への送金の事実を把握。このため、Aに対して、海外資産の保有・運用状況を確認したところ、海外からの送金は、海外不動産の譲渡代金であり、この海外不動産に係る譲渡所得が申告から漏れていたとして、自主的に修正申告書を提出した。

 しかし、その後、資料情報等から、これとは別の海外不動産の譲渡が想定されたため調査を行った。その結果、Aは、譲渡代金を国内に送金した物件については税務署から確認があった際に申告したが、別の物件については譲渡代金を代理人より現金で受け取っていたことから、税務署には把握されないと思い申告しなかった。Aに対しては、所得税の申告漏れ所得金額約2000万円について追徴税額(重加算税含む)約400万円が課されている。

 

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【相続税】

相続税調査、9930件から3295億円の申告漏れ把握

税務関連情報 – 2017年11月17日

 

 国税庁が13日に発表した相続税の調査事績によると、今年6月までの1年間(2016事務年度)において、2014年中に発生した相続を中心に、申告額が過少、申告義務がありながら無申告と思われるものなど1万2116件(前事務年度比1.5%増)を実地調査し、うち82.0%に当たる9930件(同1.7%増)から3295億円(同9.7%増)の申告漏れ課税価格を把握し、加算税101億円を含む716億円(同22.8%増)を追徴課税した。

 実地調査1件当たりでは、申告漏れ課税価格2720万円(前事務年度比8.0%増)、追徴税額591万円(同21.0%増)となる。また、申告漏れ額が多額だったことや、故意に相続財産を隠ぺいしたことなどにより重加算税を賦課した件数は1300件(同4.0%増)で、その重加算税賦課対象額は540億円(同17.7%増)。重加算税賦課割合(重加算税賦課件数1300件/申告漏れ等の非違件数9930件)は13.1%(同0.3ポイント増)だった。

 申告漏れ相続財産の内訳をみると、「現金・預貯金等」が1070億円(前事務年度1036億円)で全体の33.1%を占めて最も多く、続いて「有価証券」が535億円(同364億円、構成比16.5%)、「土地」が383億円(同410億円、同11.8%)、「家屋」が56億円(同64億円、同1.7%)のほか、「その他(不動産、有価証券、現金・預貯金等以外)」が1189億円(同1071億円、同36.8%)となっている。

 一方、申告・納税義務があるのに申告しない者も後を絶たないが、無申告事案については、前事務年度より12.5%多い971件の実地調査を行い、うち77.3%に当たる751件(前事務年度比14.7%増)から866億円(同5.1%増)の申告漏れ課税価格を把握し、69億円(同28.6%増)を追徴課税した。1件当たりの申告漏れ課税価格は8914万円と、相続税調査全体の1件当たり申告漏れ2720万円の約3.3倍にのぼる。

 また、海外資産関連事案についても、資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案などを積極的に調査している。2016事務年度は、917件(前事務年度比6.8%増)の実地調査を行い、うち117件(同0.0%)から海外資産に係る申告漏れ課税価格52億円(同12.1%増)を把握し、うち7億円が重加算税賦課対象となっている。非違1件当たりの申告漏れ課税価格は4483万円と高額だ。

 

同相続税の調査状況は↓
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/sozoku_chosa/index.htm

 

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【無申告法人】

無申告法人調査で法人税・消費税合計114億円を追徴

税務関連情報 – 2017年11月17日

 

 事業を行っているにもかかわらず申告をしていない法人を放置しておくことは、納税者の公平感を著しく損なうものであることから、国税庁では、こうした稼働無申告法人に対する調査に重点的に取り組んでいる。今年6月までの1年間(2016事務年度)においては、事業を行っていると見込まれる無申告法人2623件(前年対比2.7%増)に対し実地調査を実施し、法人税63億6700万円(同38.7%増)を追徴課税した。

 また、消費税については1988件(前年対比0.4%増)を実地調査した結果、消費税50億2100万円(同24.4%増)を追徴課税。法人税と合わせると113億8800万円(同32.0%増)を追徴課税している。このうち、稼働している実態を隠し、意図的に無申告であった法人税363件(同16.3%増)及び消費税244件(同14.0%増)の法人に対し、法人税27億5100万円(同23.5%増)、消費税14億9400万円(同94.0%増)を追徴課税した。

 稼働無申告事案では、事業活動を隠ぺいする目的で移転登記をせずに無申告だった、甲署管内で建物の解体工事などを営むA社の例がある。取引先法人に対する調査において、本店登記が遠隔地(乙署管内)であるA社に対する支払いを把握したため、実態を確認したところ、無申告だったことから調査が行われた。その結果、A社は、事業活動を隠ぺいするため、(1)事業の実態のない遠隔地に本店登記を置いたままであることが分かった。

 さらに、(2)外注費の支払等を全て現金で行い、(3)原始記録を破棄して帳簿書類も作成せず、税務申告を不正に逃れていたことが把握された。A社に対しては、7年間の法人税の申告漏れ所得金額1億5400万円について追徴税額4800万円(加算税込み、重加算税あり)を、及び5年間の消費税について追徴税額2000万円(加算税込み、重加算税あり)がそれぞれ課されている。

 一方、申告はしているものの赤字としていた無所得申告法人3万3400件を実地調査した結果、うち約7割に当たる2万4000件から2534億円の申告漏れ所得金額を把握し222億円を追徴課税した。また、調査した約4件に1件となる8000件が不正を働いており、その不正所得金額は1102億円となるとともに、6割強の5000件は実は黒字法人で、実地調査件数全体の13.4%(有所得転換割合)が黒字法人だったことが明らかになっている。

 

 

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 【法人税】

16事務年度法人税調査、申告漏れ総額は8267億円

税務関連情報 – 2017年11月13日

 

 国税庁が7日に公表した今年6月までの1年間(2016事務年度)における法人税等の調査事績によると、大口・悪質な不正計算が想定されるなど調査必要度の高い9万7千法人(前年度比3.5%増)を実地調査した結果、うち約74%に当たる7万2千件(同3.7%増)から総額8267億円(同0.5%減)の申告漏れを見つけた。追徴税額は1732億円(同8.8%増)。調査1件当たりの申告漏れ所得は853万円(同3.9%減)となる。

 調査した20.6%(不正発見割合)に当たる2万件(前年度比7.0%増)が故意に所得を仮装・隠ぺいするなどの不正を行っており、その不正脱漏所得は前年度比7.2%増の2543億円で2年ぶりに増加。1件当たりでは同0.2%増の1286万円となった。また、法人消費税については、法人税との同時調査で9万3千件(同3.4%増)の実地調査を実施。うち、5万5千件(同4.8%増)に非違があり、税額785億円(同39.0%増)を追徴した。

 不正を業種別(調査件数350件以上)にみると、不正発見割合の高い10業種では、「バー・クラブ」が62.5%で15年連続のワースト1位。「バー・クラブ」は、近年25年間で24回1位(唯一2001年度がワースト2位)という不名誉な記録を持つワースト業種の常連。以下、前年ランク外の「外国料理」(45.3%)、同2位の「大衆酒場、小料理」(37.7%)、同5位の「廃棄物処理」(30.5%)、同4位の「自動車修理」(28.9%)の順で続く。

 また、1件当たりの不正所得金額が大きい10業種では、「水運」が6442万円で前年の3位から1位に、次いで前年1位の「民生用電気機械器具電球製造」(4272万円)が2位、以下、「精密機械器具卸」(3097万円)、「パチンコ」(3081万円)、「再生資源卸売」(2936万円)と続く。不正発見割合でワースト1位の「バー・クラブ」は1472万円、2位の「外国料理」は613万円で、ともにランク外だった。

 なお、源泉所得税については、2016事務年度は11万6千件(前年対比2.0%増)の源泉徴収義務者について実地調査を行い、このうち、非違があった源泉徴収義務者は3万5千件(同3.7%増)で、その追徴税額は重加算税適用税額61億円を含む281億円(同35.5%減)だった。追徴税額の本税額(251億円)では、「給与所得」が182億円と約73%を占めてダントツのトップ、「非居住者等所得」43億円、「報酬料金等所得」14億円で続いた。

 

この件は↓
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【富裕層資産】

富裕層1件当たりの追徴税額は実地調査全体の約2倍

税務関連情報 – 2017年11月10日

 国税当局では、有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な者などいわゆる“富裕層”に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に調査を実施しており、所得税調査における“重点課題”と位置付け積極的に取り組んでいる。今年6月までの1年間(2016事務年度)には、前年度比4.3%減の4188件の富裕層に対する実地調査が行われ、同14.5%減の申告漏れ額441億円を把握した。

 富裕層に対する所得税調査の結果、調査件数の約81%に当たる3406件(前年度比2.1%減)から何らかの非違を見つけ、その申告漏れ所得金額は441億円(同14.5%減)で、加算税を含め127億円(同5.8%増%減)を追徴。1件当たりの申告漏れ所得金額は1054万円(同10.6%減)、追徴税額304万円(同11.4%増)となり、追徴税額は、所得税全体の実地調査(特別・一般)1件当たり154万円と比べ約2倍にのぼる。

 また、近年資産運用の国際化が進んでいることから国税当局では富裕層の海外投資等にも目を光らせており、同期間中にも海外投資を行っていた533件(前年対比5.7%減)に対して調査を展開し、約90%に当たる478件(同3.7%増)から137億円(同18.5%減)の申告漏れ所得金額を把握、41億円(同4.7%減)を追徴している。1件当たりの申告漏れ所得金額は2576万円(同13.3%減)と高額だ。

 調査事例をみると、自動的情報交換資料等の活用から海外の預金に係る申告漏れを把握したものがある。調査対象者Aは、自動的情報交換資料により、海外の預金に係る多額の利子が生じていたことが分かったが、その利子が申告されていないと想われたため、詳細を解明すべく調査に着手。その結果、Aは、X国の銀行に多額の預金を保有し、その預金から生じた利子や、海外所有の不動産の売却益が申告漏れとなっていたことから課税した。

 また、Aは、3億円以上の国内財産、5千万円超の国外財産を保有しているにもかかわらず、財産債務調書及び国外財産調書を提出していなかったため、各調書の提出を求め、提出を受けるとともに、国外財産に係る加算税を5%加重し賦課した。Aに対しては、3年間での申告漏れ所得金額約9300万円について、追徴税額(加算税込み)約2900万円を賦課している。

 国税庁では、このように、いわゆる“富裕層”に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に置いて、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約に基づく自動情報交換資料などのさまざまな情報を活用し、海外取引・海外資産関連収入の的確な把握及び積極的な調査に取り組んでいる。近年の所得税調査は、富裕層を始め社会的波及効果の高い、かつ、高額・悪質を優先した深度ある調査が特徴となっている。

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【無申告者】

無申告者の1人平均申告漏れは1847万円と高額

税務関連情報 – 2017年11月10日

 

 無申告は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすことになるため、的確かつ厳格な対応が求められる。無申告者は、その存在自体の把握が難しいことから、国税当局は、有効な資料情報の収集や活用を図り、的確な課税処理に努めている。国税庁が今年6月までの1年間(2016事務年度)に実施した高額・悪質と見込まれた無申告者に対する実地調査は7612件(前事務年度7445件)行われた。

 実地調査の結果、申告漏れ所得金額の総額は1406億円(前事務年度1465億円)把握した。追徴税額は、総額で146億円(同150億円)、1件当たりでは192万円(同202万円)だった。2016事務年度は実地調査全体(特別・一般)が4万9012件行われているから、全体の約16%が無申告者に対する調査に充てられ、実地調査全体の申告漏れ所得金額4499億円の約31%が無申告者に係るものだったことになる。

 1件当たりの申告漏れ所得金額は1847万円となり、前事務年度の1968万円から6.1%減少したものの、実地調査全体の1件当たり申告漏れ所得金額918万円の約2倍と高額だ。前事務年度に比べ調査件数は2.2%増加している。こうした調査結果からいえることは、結構高額な所得がありながら、国税当局にはばれまいと高をくくって申告しない納税者がいかに多いかということだろう。

 また、消費税の無申告者に対しては、2016事務年度において実地調査(特別・一般)8816件(前事務年度8119件)が行われた結果、追徴税額は135億円、1件当たりでは153万円だった。2016事務年度の消費税に係る実地調査全体は2万8211件行われているから、全体の約31%が無申告者に対する調査に充てられ、消費税の実地調査全体の追徴税額221億円の約61%が無申告者に係るものだったことになる。

 調査事例では、数年おきに他人名義で所得税の申告を行うことで、自身が実質所得者であることを隠し、消費税の課税を不正に免れていた高級バーを営む事業者Aの例がある。Aは、消費税が無申告だっただけでなく、自身が負担する友人名義の所得税申告に係る所得税を減らすため、現金売上の除外や架空経費の計上などを行っていた事実も判明。Aに対しては、所得税7年分の申告漏れ所得金額約5300万円について重加算税込みの約1000万円の追徴税額及び消費税5年分の重加算税込みの税額約1400万円が追徴されている。

 

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 【譲渡所得】

16年度譲渡所得調査では1494億円の申告漏れを把握

税務関連情報 – 2017年11月08日

 

 税務調査は年々、高額・悪質なものを選定して重点的に行われているが、譲渡所得調査も、不動産等の売買情報など、あらゆる機会を利用して収集した各種資料情報を活用して、高額・悪質と見込まれるものを優先して行われる。国税庁のまとめによると、今年6月までの1年間(2016事務年度)の譲渡所得調査は2万6872件に対して行われ、うち75.7%に当たる2万353件から1494億円の申告漏れを把握したことが分かった。

 前事務年度に比べ、調査件数は0.2%増、申告漏れ等の非違件数は2.1%増とともに増加したが、申告漏れ所得金額は3.5%減と減少した。申告漏れ割合については前事務年度から1.4ポイント増加の75.7%だった。調査1件あたりの申告漏れ所得金額は556万円(前事務年度578万円)となるが、この額は、同事務年度の所得税調査で把握された1件あたり平均の申告漏れ所得金額の137万円を大きく上回る。

 調査の内訳をみると、株式等譲渡所得については、前事務年度比10.2%増の6435件の調査を実施。このうち84.6%に当たる5443件(前事務年度比17.0%増)から総額381億円(同8.5%減)の申告漏れ所得金額を把握した。また、土地建物等については、同2.6%減の2万437件の調査を実施し、このうち73.0%に当たる1万4910件(同2.5%減)から総額1114億円(同1.7%減)の申告漏れ所得金額を把握している。

 事例をみると、譲渡物件に居住していなかったにもかかわらず、「居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例」を不正に適用していた会社員Aの例がある。同特例は、居住用財産の譲渡について、一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3千万円までを控除できるというもの。Aは、不動産の譲渡所得について、同特例を適用して申告していたが、実際の居住状況を確認する必要があったことから、調査が行われた。

 当初Aは、譲渡物件の所在地で住民登録をしていたことや、自らが電気・水道等の契約をしていたことを根拠に、譲渡物件に居住していたと主張。しかし、その後の調査で、実際には譲渡物件に居住していなかった事実が判明した。Aは、少しでも税金を安くするため、住民票を異動させるなどして居住していたように装っていたもので、Aには、申告漏れ所得金額約3000万円に対し、重加算税を含む約700万円の税額が追徴された。

 

出典:ゼイタックス

http://www.taxcom.co.jp/snews/top/publish.cgi?news_src=2427&cat_src=tax&enc=utf-8

 

【所得税】

所得税調査、1割の実地調査で申告漏れの6割を把握

税務関連情報 – 2017年11月02日

 

 国税庁によると、個人に対する今年6月までの1年間(2016事務年度)の所得税調査は、前年度(65万件)に比べ0.5%減の64万7千件行われた。そのうち、約62%にあたる40万件(前事務年度39万6千件)から同1.1%増の8884億円(同8785億円)の申告漏れ所得を見つけた。その追徴税額は同3.5%増の1112億円(同1074億円)。1件平均137万円(同135万円)の申告漏れに対し17万円(同17万円)を追徴した。

 実地調査における特別調査・一般調査(高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に行う深度ある調査)は、前年度に比べ2.1%増の4万9千件を実施、うち約88%にあたる4万3千件から同0.5%減の総額4499億円の申告漏れ所得を見つけ、同0.9%増の753億円を追徴。件数では全体の7.6%に過ぎないが、申告漏れ所得金額は全体の50.6%を占めた。調査1件あたりの申告漏れは918万円と、全体の平均137万円を大きく上回る。

 また、実地調査に含まれる着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は、前年度比16.7%増の2万1千件行われ、うち1万6千件から同19.1%増の860億円の申告漏れを見つけ、66億円を追徴。1件あたり平均申告漏れは405万円。一方、簡易な接触は、同1.2%減の57万7千件行われ、うち34万2千件から同0.5%減の3525億円の申告漏れを見つけ293億円を追徴。1件あたりの平均申告漏れは61万円だった。

 実地調査トータルでは、前年度比6.1%増の7万件の調査を行い、うち5万8千件から同2.2%増の5359億円の申告漏れを見つけ、819億円を追徴。つまり、実地調査件数は全体の10.8%と1割に過ぎないが、申告漏れ所得全体の約6割(60.3%)を把握しており、高額・悪質な事案を優先して深度ある調査を的確に実施する一方、短期間で申告漏れ所得等の把握を行う効率的・効果的な所得税調査が実施されていることが裏付けられた。

 このように、近年の所得税調査の特徴は、高額・悪質と見込まれるものを優先して深度ある調査(特別調査・一般調査)を重点的・集中的に行い、一方で実地調査までには至らないものは電話や来署依頼による“簡易な接触”で済ます調査方針にある。なお、業種別1件あたりの申告漏れ所得金額が高額な業種は、「風俗業」(2083万円)、「キャバレー」(1667万円)、「プログラマー」(1178万円)までがワースト3。

 

この件は↓
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/shotoku_shohi/index.htm

 

出典:ゼイタックス

http://www.taxcom.co.jp/snews/top/publish.cgi?news_src=2423&cat_src=tax&enc=utf-8

2017年11月20日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:税理士法人IKG


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