第690回 選挙、せんきょの雑感アレコレ

世の中この1ヶ月は、参議院議員選挙で忙しそうだった。

東京はこれから、大阪府知事選の3倍近い約50億円かかるという、都知事選挙がある。

今回のコラムは選挙雑感、全く勝手な感想を書いてみたい。

 

選挙の結果で「コペルニクス的転回」をする人が出てくるのは、世の常、選挙の宿命だろう。

今回の参院選は「一強多弱」傾向に、念が押されたような結果だった。

何で日本の野党はダメなんだろう。主義主張の全く違う共産党と握手をしてまで「野党共闘」を創ったのは、票が欲しかったからではないのか。

結果、野党の議員は明らかに減ったにも拘らず、「一部には大変な効果があった」と評価する野党幹部やマスコミがあったが、この神経が分らない。

党の主要幹部の政策委員長が「防衛費は人を殺す予算」とNHKテレビで堂々と述べ、自衛隊を侮辱するような軽口をたたく共産党、「なんで民進党が共産党なの??」…この、民主党時代からの、熱心な支持者の素朴な疑問を、全く無視し、KY(空気読めない)幹部たち。

告示後なのであまり言ってはいけないが、この考えのまま、都知事選も野党統一候補者だという。

これについては自公も一緒、大組織が選んだ候補者でなければ、知事にあらずとばかり「力」を押し付けてくる。大組織の推薦を取り付けた候補者は、「政策はこれから作ります」と、本来の立候補者では信じられないことを平気で、しかもマスコミに向けて述べていた。 つまり政策は二の次で、大組織の推薦をとるだけに邁進しているが如くで、明らかに都民を愚弄する言動だと思う。

お墨付きがもらえた「後出しジャンケン」の候補者は、あたかも当選したかのような、満面の笑みで立候補第一声を叫んでいた。

かつての仲間が、誰よりも早く立候補の意思を表明したにもかかわらず、大組織の重鎮たちは「然(さ)にあらず」とつれない態度。孤軍奮闘しか策がないのだろうか。

過去最大の21人が立候補しているにもかかわらず、3人だけの選挙戦のようで、まるで大企業のプレッシャーに苦しむ下請け、孫請けのトラジェディー・ドラマ(悲劇)を見ているよう。

いささか心地良くない選挙戦スタートだった。

でもまだ、都知事選は始まったばかり、これからの展開に期待したいところである。

 

さて今回の参院選挙から、実は歴史的意義ある選挙の筈だった。

「公職選挙法」の70年ぶりの改正である。

新たに選挙権を得た18~19歳は約240万人で、有権者の約2%が加わった。

世界的には18歳で選挙権を得る国が主流だ。

国立国会図書館の昨年の調査で、191カ国・地域のうち、9割の176カ国・地域が18歳以上だった。

今回の参院選、未成年有権者の結果ご存知だろうか?

総務省によると、参院選で新たに有権者となった18、19歳の合計投票率は45.45%だったと発表した。全体の投票率54.70%を9.25ポイント下回った。

年齢別では、高校教育を徹底した18歳は51.17%、大学生や社会人が多く、住民票を実家に残したままで、不在者投票の仕組みがよく分からなかった19歳は39.66%と、結果に差が生じた。

若者層の自民党支持が高かったことには、野党側から反省する声が上がったようである。

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2016年7月17日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:飯島賢二のコラム


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