選定療養費は個別事情を検討して医療費控除を判断

 

選定療養費は個別事情を検討して医療費控除を判断

税務関連情報 – 2016年08月24日

 

 選定療養費とは、「初期の治療は地域の医院・診療所などで、高度・専門医療は病院(200床以上)で行なう」という、医療機関の機能分担の推進を目的として厚生労働省により制定された制度。健康保険法の2006年改正により、従前の特定療養費制度が見直されたもの。例えば、他の保険医療機関等からの紹介状を持たないで直接来院された人は、選定療養費として、初診に係る費用を一定額支払わなければならない。

 

 主な選定療養には、特別の病室に入院をした場合(いわゆる差額ベッド代)や歯科の金属材料差額(金属床総義歯、金合金等)、200床以上の病院の初診、一定期間後の再診などがある。紹介状がない場合の大病院の初診や差額ベッド代、時間外診療などは、健康保険法における「選定療養」とされているようだ。そこで、この選定療養費は医療費控除の対象になるのかどうか疑問が生じるところだ。

 

 例えば、頭痛がして大学病院でMRI検査を受けるなど、医師による診察等を受けるために支払う選定療養費は、費用として医療費控除の対象になる。医療費控除の対象となる医療費は、「診療又は治療等の対価のうち通常必要であると認められるもの」とされている。選定療養費とされるものの中にはこれに該当しないものも含まれる可能性があるので、個別の事情を検討して判断する必要がある。

 

 なお、病院で紹介状を作成してもらった費用は、紹介先医療機関での治療に必要な費用であること、厚生労働省が規定する診療情報提供料に該当することなどを理由として医療費控除の対象になると判断されている。ちなみに、診断書などの作成に係る文書料については、医師が診療又は治療した内容等を記載した文書の発行に係る手数料であり、診療又は治療の対価に該当しないことから、医療費控除の対象にはならないので注意が必要だ。

 

出典:ゼイタックス

http://www.taxcom.co.jp/snews/top/publish.cgi?news_src=2065&cat_src=tax&enc=utf-8

 

 

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2016年8月25日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:税理士法人IKG


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