第702回  起業生存率

今年も、熊谷商工会議所主催で「創業塾」が開催された。

1日4時間で、毎週土曜日連続7日間、全18講座・合計72時間、講師は「士業」の先生方、先輩起業家、金融マンや会議所、商工会等々延べ20人以上で、今週の土曜日が最後の講座となる。

 

創業支援に関しては、2014年、アベノミクス成長戦略(日本再興戦略)の中で、わが国の開業率、廃業率を欧米並みの 10%程度にという目標が掲げられ、今や、国の重要政策の一つとなっている。

2013年現在、厚生労働省のデータでは…日本の開業率4.8%、廃業率4.0%となっている。

ちなみにアメリカは同9.3%、10.3%、イギリスは同比率が14.1%、9.7%、フランスに至っては同比率が15.3%、11.1%となっている。

 

東京商工リサーチの調査がある。2009年から2013年までの5年間に、全国で新しく設立された法人(新設法人)は、51万2,781社にのぼった(注:個人事業者は含まない)

そのうち1年後に、なんと、6割の企業が無くなってしまうという、ショッキングなデータがある。これを「起業生存率」と呼んでいる。

開業後1年で40%の企業しか生き残れないのが現実で、以下、5年:15%、10年:6%、20年:0.3%、30年:0.02%という厳しい状況があること、無視することはできない。

1年といえば立ち上げたばかりなのに、何があったのだろうか。さらに5年もたつと85%の企業が倒産してしまい、せっかく創業したのに、15%しか生き残れないことを意味している。そして10年を超えるとほとんど無に等しくなり、開業30周年の会社がどれだけすごいか、考えさせられるデータである。

 

なぜ、これだけ多くの企業がなくなってしまうのか、実はそこが課題となっている。

失敗の理由はその数だけあるが、その中でも陥りやすい4つの要因があると言われている。

1、お金をかけすぎ!資金のショートで倒産 ~立派で豪華な店に客が来るという幻想!

2、テキトーに作ってしまった事業計画書 ~人頼り、自分の意思がない作文!

3、ブレイク・流行りは必ず去る ~今、はやっているモノをやりたい、受けるに違いない!

4、店舗を増やす恐ろしいリスク ~「白いタイ焼き屋」の前例!

失敗しないようにするためには、その逆をやり抜けばいい。

1.資本金やコストをむやみにかけない、2.長く売上を確保出来る仕組みを作る、3.流行り廃れのないものを主軸にする、4.規模を増やさずに出来ること…ということになるだろう。

開業投資に、銀行借入数百万円、数千万円をかけて始める。初月から売上は出るかもしれないが、返済をしていかないといけないので、借入金を返済するだけで早くても6~7年はかかる。

が、5年といったら85%が潰れている、つまり、返済する前に倒産してしまうことになろう。

設備資金も最小化を目指し、できるだけ自己資金でまかない、返済もなく、最小コストで最適成果が得られる計画、夢を現実にするためには、失敗がなく成果も得やすいビジネスを目指すべきだと思う。

だから、創業始めから、稼げる、大儲けするというわけにはいかない。

大切なのは、自分の身の丈にあった範囲でビジネスをする、そしてそれを確固たるものにするのが第一の目標。第二ステージはそれから、つまり第二創業でいいのだ。

そんな発想こそ、無理の無い、背伸びをしない「アントレ流経営術」ではないだろうか。

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2016年10月9日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:飯島賢二のコラム


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